今回紹介するのは「アナザーラウンド」
デンマーク・オランダ・スウェーデンの共同制作の一本。主演はデンマークを代表する超人気俳優マッツ・ミケルセン。
人生の生きづらさや葛藤に共感できる方にはおすすめです。
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あらすじ
高校教師マーティンは、仕事に倦怠感を感じ、家庭でも妻との関係に悩みを抱えていた。そんなある日、彼はノルウェーの哲学者による「血中アルコール濃度を一定に保つと、創造性や仕事のパフォーマンスが向上する」という理論を知り、同僚3人と共に実験を始める。
最初は軽い気持ちで始めた実験だったが、徐々にアルコールが彼らの生活に変化をもたらしていく。授業は活気を取り戻し、生徒との距離も縮まる。家庭生活も充実し、人生に喜びを感じるようになる。しかし、アルコールの量が増えるにつれ、彼らの人生は制御不能な方向へと進んでいく。
これみてポイント
大人の青春映画
主人公たちは家庭や仕事でマンネリを感じている。いわゆるミドルエイジクライシスというやつ。
そんな主人公たちが「血中アルコール濃度を0.05%に保てば、創造性や仕事のパフォーマンスが向上する」という理論を聞いて、これを実証しようとする。
4人でこそこそ隠れてお酒を飲んでいる姿は、まるでティーンエイジャーのよう。
ちなみにデンマークの教育制度は、子どもたちの個性や能力を尊重し、自発的に学ぶ意欲を引き出す教育を目指していて、世界でもトップレベルの教育水準を誇る。
一方で、教員には高い能力が要求され、学力格差や教員不足などの課題も指摘されている。
教員に対するプレッシャーが大きいことは劇中でも言及されている。
飲んで飲んで飲みまくる
血中アルコール濃度を0.05%で成功したなら、もっとアルコール濃度を上げたら?
彼らは愚かにもさらに飲酒量を増やした。誰かひとりくらい反対せえよ。
お酒を飲みすぎれば、そりゃ失敗する。悪酔いしたオヤジどもが本当に最低。お前ら迷惑かけた人にちゃんと謝ってこいよ。
本作は依存症の危険性や人間関係の崩壊など、暗い側面も描いている。人生の喜びと苦しみを同時に味わう主人公たちの姿は、観る者に深い問いかけを投げかけるのだ。
実際、デンマーク人はお酒が大好き。平均的なデンマーク人は週に10.7リットルのアルコールを消費するという統計がある。
そのため、アルコール依存症やアルコール関連の健康被害が社会問題となり、近年、デンマーク政府は飲酒量を減らすためのキャンペーンを実施している。
そういった社会的なテーマも本作の重要なポイントだ。また、登場するお酒の種類も豊富。ビール、ワイン、スピリッツ、カクテルなど、どんなシーンでどんなお酒を飲んでいるかにもご注目。
マッツ・ミケルセンの圧巻の演技
主人公マーティンを演じるのは、デンマークの至宝マッツ・ミケルセン。ユーモアと哀愁を漂わせながら、人生に迷う男の複雑な心情を繊細に表現している。特に、酔っ払って授業を行うシーンは必見。
マッツ・ミケルセンと言えば、もはや世界的な大スター。ハリウッド作品にも多く出演しているが、今回は故郷デンマークの映画。
ハリウッドではヴィラン役も多い印象だが、今回はしょぼくれた中年のおじさんの役。いや、全然エロいけどね。
そんなマッツが実は元プロダンサーってご存じだろうか?
本作のクライマックスではマッツのダンスシーンがあるのだが、吹っ切れたように踊り狂うシーンがカタルシスマシマシで良し!
作品概要
アナザーラウンド | |
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Druk | |
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監督 | トマス・ヴィンターベア |
脚本 |
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製作 |
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出演者 | |
撮影 | シュトゥルラ・ブラント・グロヴレン |
編集 | |
製作会社 | |
配給 |
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公開 | |
上映時間 | 117分 |
製作国 | |
言語 | デンマーク語 |
製作費 | kr33.5 million[3] (US$3.9 million) |
興行収入 | $21.7 million[4] |
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