僕たちは前に進み続けるんだ - 「C'mon C'mon」

映画「C'mon C'mon(カモンカモン)」は、家族の絆、成長、そして人間関係の深い理解について探求する、心温まるヒューマンドラマです。9歳の甥っ子とその伯父の間に生まれる、予期せぬ深い絆を描いたこの作品は、観る者に人生の大切な価値を再認識させます。主演のホアキン・フェニックスが演じるジャーナリストと、彼の甥っ子との間に繰り広げられる心の交流は、多くの感動を呼び起こします👨‍👦💖

「カモンカモン」は、ただの家族ドラマではなく、人生の美しさと複雑さを描いた作品です。この映画を通じて、あなたも新たな気づきを得るかもしれません。ぜひ、ご覧ください!🎬✨

「カモンカモン 」はAmazonプライムビデオで見放題配信中。


あらすじ

ジョニーは独身の中年ラジオジャーナリストで、現在、プロデューサーパートナーと共に全国を旅して、子供や10代の若者たちに彼らの生活や未来についてインタビューするプロジェクトに取り組んでいる。デトロイト滞在中、彼は妹のヴィヴに電話をかけるが、1年前に母親が認知症で亡くなって以来、彼女と話をしていなかった。ヴィヴはジョニーに、別居中の夫であり、双極性障害と闘うポールを助けるためにオークランドへ行かなければならないと伝える。そのため、ロサンゼルスに来て9歳の息子ジェシーの面倒を見てほしいと頼まれる。


これみてポイント

よくあるプロットなんだけど・・・

独身男が子供との交流で人生に新たな気付きを得るなんてのは古今東西あまたあるものだが、本作もそのひとつ。でも、なんか違う。


映画にはハイコンセプトとソフトストーリーという分け方がある。簡単にまとめるとこんな感じ。

ハイコンセプト・・・主人公がある目的に向かっていく物語、単純明快。

ソフトストーリー・・・登場人物の心の機微を繊細に描く物語。


カモンカモンはソフトストーリーで、作中で劇的な事件は起こらない。伯父さんと甥っ子の数日間の日常を丁寧にとらえていくだけの話と言って良い。しかし、徐々に心を通わせていく彼らの様子が実にリアルに描かれている。


ふたりの別れのシーンも実にあっさりしたものだ。しかし、それがかえって後味を引く。

なにより、ジェシーを演じたウディ・ノーマンが天真爛漫で可愛い。

実際、彼はイギリス出身でこの役のためにアメリカ英語を使っているあたり、完全に演技なんだけども。


大事なことはセリフに込められている

本作は順撮りされている。つまり、1カット目から最終カットまで順番に撮っている。これにより、物語の進行と現実の役者同士の関係の構築がリンクして、演出的ではない2人のリアルな空気感が出ている。


本作、大事なことは結構セリフとして喋っている。そういうことを下手にやっちゃうとセリフがダサくなるけど、その辺も上手い。

これはとにかくコミュニケーションの映画だ。


画的な見せ場はないと思って気を抜かないで彼らのコミュニケーションをしっかりと観て聞いて欲しい。


子供を子供扱いするな

実は作中での子供たちへのインタビューはドキュメンタリーだ。


デトロイト、ロサンゼルス、ニューヨーク、ニューオーリンズとアメリカの東西南北の都市に住む子供たちにインタビューが行われるが、みんな現実を冷静に受け止めているし、だからと言って未来に絶望していない。やはり子供は可能性の塊だ。


本作は全編白黒の作品だが、1カットだけ色がつくカットがある。それは、エンドロールでのデバンテ・ブライアントへの追悼のメッセージ。


デバンテ・ブライアントは本作に出演したニューオーリンズの9歳の子供だ。ー腕にタトゥーを入れていることを話している。

作品の公開前に、街中で銃の流れ弾が当たって彼が死亡するという悲劇があった。現在の社会はこうして様々な可能性を失い続けているのかもしれない。


ここで、作中でジョニーがジェシーに読み聞かせをする「星の子供」を引用しよう。

To visit planet Earth, you will have to be born as a human child.

地球を訪れるには、人間の子供として生まれなければなりません。


At first, you'll have to learn to use your new body, to move your arm and legs.

最初は新しい体の使い方、腕と足の動かし方を学ばなければなりません。


You will learn to work and run, to use your hand, to make sound, and form words.

あなたは働くこと、走ること、手を使うこと、音を出すこと、言葉を作ることを学びます。


There will be so much for you to learn and so much for you to feel, sadness, joy, disappointment, and wonder.

悲しみ、喜び、失望、驚きなど、学ぶべきこと、感じることがたくさんあるでしょう。


You will grow up, travel and work.

あなたは成長し、旅行し、仕事をします。


Over the years, you will try to make sense of that happy, sad, full, always-shifting life you're in.

何年にもわたって、あなたは自分が生きている、幸せで悲しい、充実した、常に変化する人生を理解しようとするでしょう。


And when the time comes to return to your star, it may be hard to say goodbye to that strangely beautiful world.

そして、あなたの星に戻る時が来たら、その奇妙に美しい世界に別れを告げるのは難しいかもしれません。


作品概要

カモン カモン
C'mon C'mon
監督マイク・ミルズ
脚本マイク・ミルズ
製作チェルシー・バーナード
アンドレア・ロングエーカー=ホワイト
リラ・ヤコブ
出演者ホアキン・フェニックス
ギャビー・ホフマン
ウディ・ノーマン英語版
音楽アーロン・デスナー英語版
ブライス・デスナー英語版
撮影ロビー・ライアン
編集ジェニファー・ヴェッキアレロ
製作会社A24
ビー・ファニー・ウェン・ユー・キャン
配給アメリカ合衆国の旗 A24
日本の旗 ハピネットファントム・スタジオ
公開アメリカ合衆国の旗 2021年11月19日
日本の旗 2022年4月22日
上映時間108分[1]
製作国アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国
言語英語
製作費$8,300,000[2]
興行収入世界の旗 $4,498,882[3]
日本の旗 1億5000万円[4]

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